建物と土地について定めた賃貸借契約の規定です。民法の規定だけでは借主が不利になってしまう可能性が高いので、賃貸人に比べ立場の弱い借家人や借地人を保護するために1991年(平成3年)に成立、1992年(平成4年)より施行されました。
借地・借家の場合、共に借主保護の必要があるとしても、その保護の必要性の程度が異なるのではないかと考えられます。
借主が無理やり追い出された場合について両者を比べてみることにしましょう。
まず、借家の場合。
1.次に移るべき建物を探し
2.そこへ引越しすれば足りる。
しかし、借地の場合、何も建っていない土地(更地)を借りたのだから、返す場合にはもと通りにして返さなければいけません。
1.次に移るべき建物を探し
2.そこへ引越しをし
3.わざわざ建てた建物を壊さなければならない。
それゆえ借地の場合の方がわざわざ建てた建物がムダになり、かつ、壊す費用がかかるので借地人の不利益は大きいです。
このようなことから、借家人に比べ借地人の方をより保護しなければならないので借地と借家とで異なる制度を設け、借地借人の方がより保護されるように制度を設けました。
借地権とは、他人の土地を借り、そこに建物を建てることができる権利です。
建物の種類は問われず、事務所や店舗も可能。
・契約で定めることのできる最も短い期間は30年
(通常の建物であれば30年はもつため)
・当事者が契約で定めをしなかった場合は30年
・30年を超える期間を定めた場合はその期間
当事者の合意で更新できます。
・最初の更新は20年、2回目以降は10年
・契約でこれより長い期間を定めたときはその期間
借地権の存続期間が満了する時に建物が存在していれば、以下のどちらかであれば更新されます。
・更新の請求をした場合
・土地の使用を継続して地主が異議を述べない場合
対抗力とは、自分に権利があることを第三者に対して主張できる法律上の効力のことです。
借地借家法では、土地上の建物の登記をしていれば対抗できるものとしました。
存続期間満了時に建物があるのに更新されない場合には、借地権者は地主に対して建物買取請求権を行使できます。
建物買取請求権とは、使える建物をわざわざとり壊すのはもったいないことから、地主に対して建物を時価で買い取るように請求することができる権利です。
存続期間を50年以上とする以下の場合に付けられる特約で、契約の更新がなく、当初の存続期間が満了すると確定的に終了する借地権です。
・建物の再築による期間の延長をしない
・期間満了時の建物買取請求権を認めない
これらの特約は晝面によることが必要です。
他にも「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付き借地権」などがあります。
①借地権の存続期間は30年
②借地契約更新は最初の更新は20年、それ以降は10年
③土地の上に登記をしている建物を所有していれば対抗できる
④借地権が満了した際には賃借人は建物買取請求権を行使できる
⑤定期借地権は50年以上の存続期間につけることのできる更新のない借地権
このように、借地借家法は賃借人にとって有利な法律です。
次回は借家借地借家法、借家の場合についてお届けします。
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