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2017年8月13日

民法改正が賃貸不動産管理に及ぼす影響④

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平成27年(2015年)3月、第189回国会において民法の一部を改正する法律案が提出され、現在、特別委員会において、継続審議となっています。いまだ法案成立にまでは至っていませんが、契約に関する条文が大幅に変更になることは、間違いないとみられています。賃貸不動産に関しても民法の理解が不可欠です。本コラムでは改正の経緯とこれからのスケジュールを紹介するとともに、改正の概要をご案内いたします。

4 原状回復

判例やガイドラインで確定された原状回復のルールが民法で明文化されることに注目

原状回復については、これまでに確定されたルールが明文化されます(新621条)。まず、「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」として、賃借人は、賃借物を返還するに際しては、損傷をもとに戻す義務があることが原則とされています(もとに戻す対象からは、賃借人が引渡しを受ける前からのキズは除外されている)。

そのうえで、賃借人が損傷をもとに戻す義務がないケースとして、「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」、および、「損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるとき」と示されています。

賃借人は、通常の使用に伴うキズや、経年による状態の変化について、これを復旧する費用を負担する必要がないという確定した実務の取扱いが、民法の条文となるわけです。

 

5 敷金

判例で確定された敷金のルールが民法で明文化されることに注目

賃貸借の実務では、一般的に敷金の授受が行われており、敷金に関するルールも、確立しています。新民法では、敷金の意味とルールが条文に明記され『賃借人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に交付する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。一賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。二賃貸借が適法に賃借権を譲り渡したとき。』と定められることになります(新622条の2)。

ま と め

 

 

4回に渡り、改正についてお話しいたしました。個人的には民法と聞いた瞬間にとっつきづらく敬遠しがちですが、賃貸借には切っても切れない法になります。

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