高級賃貸取引を知り尽くしたスタッフが書くブログです。

2020年12月6日

土地の権利書(権利証)ってどんなもの?

18fc82da915dc10cdc2365689b8be9c9_t
Pocket

よくドラマや映画に登場する「土地の権利書(権利証)」、例えば時代劇などで悪い商人などに騙されたり、脅迫されたりして「土地の権利書(権利証)を出せ!!」などというシーンを見たことはあるのではないでしょうか。

ではこの「土地の権利書(権利証)」とは、一体どんなものでしょうか。

チャプターⅠ 土地の権利書(権利証)とはどんなもの?

土地の権利書(権利証)とは、正式な名称ではなく通称です。

正式には『登記済権利証』、もしくは『登記済証』などといいます。

この『登記済権利証』、登記申請書の記載内容がある書面に登記所が「登記済」という印鑑を押したものになります。

004

登記権利証(参考画像)

006

登記済印鑑(参考画像)

※どちらの画像も筆者提供。個人情報の兼ね合いもあるため画像の一部を加工しています

 

そして登記権利済証の所持者が土地の登記名義人であることを証明するものになるのです。

(補注:登記名義人とは、一筆の土地または一個の建物に関する登記記録において、不動産に関して所有権・賃借権・抵当権などの権利を有する者として記載されている者のことをいう。例えばA氏からB氏への所有権移転登記が記載されていた場合、B氏が登記名義人となる。)

 

しかし、この『登記済権利証』は現在発行されておりません。

2005年(平成17年)3月7日に新しい不動産登記法が施行されて以降は『登記識別情報』というものが変わりに発行されることになりました。

では、この『登記識別情報』どういうものかというと、12桁英数字の羅列によって構成されています。早い話が12桁のパスワードのようなものです。

そして、現在ではこの『登記識別情報』が土地の所有者であることを証明するものとなっています。

 

識別情報カット

登記識別情報参考画像

(法務省ホームページ:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00206.html )

 

参考画像を見てもらうと、色々と書かれていますが、大切なのは1番下の数字の羅列=登記識別情報だけです。極端なことを言えば、この書類自体がなくても、数字だけを写真で撮って保管している、メモに書いて残している等の形で残していても登記識別情報として成立します。

 

ここで一つ誤解をしないでほしいのは登記権利済証の効力についてです。登記識別情報に変わってしまった現在でも登記権利済証の効力は現在も消えずに残っているといことです。

つまり、登記識別情報は2005年の法改正以降の取引の際に発行されているものであって、それ以前は登記済権利証でした。例えば、2001年に土地を取得した者が2020年に売却をする際には、2001年当時の登記権利済証を提供すればよいのです。

 

チャプターⅡ なくしてしまったらどうするの?

前述したとおり、登記権利済証も登記識別情報も土地の所有者であることを証明するだけのものにすぎません。

また、土地の売買や譲渡などもそうそうあるものではありません。

実は、保管義務もありません。

ということは、書類自体がなくなってしまうこともあります。

そんな時はどうするのでしょうか。

まず誰の頭に浮かぶのは書類の再発行です。

しかし、登記権利済証も登記識別情報も再発行してもらうことはできません。

つまり、なくしてしまったら最後、登記権利済証も登記識別情報も使用できなくなるのです。

ただそれだと、土地の売買や譲渡ができなくなってしまいます。

そんな時のために、

・事前通知(不動産登記法第23条、不動産登記規則第70条)

・本人確認情報の提供(不動産登記法第23条)

という制度があります。

参照条文

(不動産登記法第23条:https://ja.wikibooks.org/wiki/

 

(不動産登記規則第70条:https://elaws.e-gov.go.jp/

 

チャプターⅢ 事前通知とは?

とりあえず、登記識別情報(登記権利済証)を提供しないで登記申請を行います。これらの情報を提供しないでも申請は受け付けられるのです。(不動産登記法第19条)

後日法務局の登記官が、本人限定受取郵便により通知が届きます。

事前通知書(書面申請)  事前通知書(電子申請)

事前通知書(書面申請)参考画像     事前通知書(電子申請)参考画像

 

(ウィキペディア 事前通知制度より:https://ja.wikipedia.org/wiki/

 

この通知に実印を押して返送することにより、法務局側で本人だと判断し、登記申請を受け付けてくれます。

ただし事前通知制度は、法務局が通知を発してから2週間以内に書類の返送を行わなければならず、2週間以内に返送があれば登記を行ってもらえます。

余談ですが、郵送先が外国だと期間は4週間に延長されます。(不動産登記規則第70条第8項)

 

(不動産登記法第19条:リンク先https://ja.wikibooks.org/wiki/

 

チャプターⅣ 本人確認情報の提供とは?

弁護士や司法書士といった登記申請を代理できる者が、土地の所有者本人と面談などを行い(不動産登記規則72条)、責任を持って本委任確認情報を作成し、法務局に提供します。そして、法務局の登記官がその提供された内容が相当であると認めた場合は、事前通知が省略されます。

では、登記官が相当と認めなかった場合はどうなるのかといいますと、申請が却下されるのではなく、事前通知の方法での本人確認を行います。

 

(不動産登記規則第72条:https://elaws.e-gov.go.jp/ )

 

チャプターⅤ 大切にしましょう!

登記権利済証や登記識別情報は保管する義務はありません。また、なくしてしまった場合にも事前通知・本人確認情報の提供といった救済制度はありますが、無駄に費用や手間がかかったりするものでもあります。

登記権利済証や登記識別情報を紛失してしまっても権利はなくなりませんが、最悪の場合悪いことに使われることも考えられますので、登記権利済証や登記識別情報はキチンと大切に保管しましょう。

 

 

Pocket



▲このページのTOPに戻る

物件リクエスト登録

物件を貸したいオーナー様へ
サイトの使い方
企業情報 | スタッフ紹介 | 採用情報 | プライバシー | 高級賃貸.com スタッフブログ |