高級賃貸取引を知り尽くしたスタッフが書くブログです。

2020年10月28日

住民票と戸籍のちがい

57521a3e5cedd397284111bcec8ae34f_t
Pocket

免許の申請やパスポートの申請、不動産登記、就職など様々な場面に使用されるものに「住民票」や「戸籍」があります。

どちらも、市町村や区の役所へ申請をし、発行してもらうものです。

では、この「住民票」や「戸籍」はどのようなちがいがあって、どのように使いわけたらいいのでしょうか。

 

住民票:居住関係を証明するもの。

 

住民票は、現住所を証明するための書類になります。住民登録に基づいて発行されます。

住民登録とは住所や家族構成などを記録したものになります。そして、住民票を世帯ごとに編成し作成したものが、住民基本台帳となるわけです。(住民基本台帳法6条1項)

住民基本台帳法:https://www.ron.gr.jp/law/law/jumin_ki.htm

 

つまり、役所に請求する「住民票」とは正確にいうと「住民票の写し」になるわけです。

記載内容は以下のものになります。

①住所、氏名、生年月日、性別

②住民となった年月日、住所を定めた日、前住所

③世帯主の氏名、世帯主との続柄

④本籍地、筆頭者

⑤住民票コード、個人番号(マイナンバー)

※③・④・⑤についての記載は選択式となっており、記載するかしないかを選べます。

住民票(世帯表)

住民表(個人票)

上の画像が住民票(全体票)、下の画像が住民票(個人票)になります。

住民票画像 札幌市役所:https://www.city.sapporo.jp/shimin/koseki/shomei/what_juminhyo.html

住民票記載内容 川口市役所:https://www.city.kawaguchi.lg.jp/faq/kurasi/juminhyo/17455.html

 

また、「住民票記載事項証明書」という書面もあります。

こちらの書面は「住民票の写し」のうち、上記記載内容のなかで申請者が必要とする項目のみを記載した書面になります。

個人情報の取り扱いが厳しくなった昨今、不必要な個人情報は公開しないための書面になります。

企業によっては、労働者名簿作成のために、この「住民記載事項証明書」を求められたりすることもあります。

 

「住民票の写し」、「住民票記載事項証明書」住んでいる市区町村の役所で発行してもらうことができます。

取得の際は、郵送やコンビニ取得ができる場合もあります。自分の住んでいる自治体ではどのような取得方法があるか、あらかじめ確認しておくのもいいかもしれません。

 

 

戸籍:本人について公に証明するもの。

 

「戸籍」とは、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので,日本国民について編製され,日本国籍をも公証する唯一の制度です。(法務省ホームページより:http://www.moj.go.jp/MINJI/koseki.html

主に、親子関係や婚姻関係などの家族関係、また、その家族の中での立場についての記載がされています。

 

このように本人を証明するものであるから、パスポートの申請や婚姻届のときに利用されるのです。

渋谷区ホームページ:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/jumin/index.html

 

記載内容は以下のものになります。

①本籍地

②氏名

③生年月日

④両親の名前

⑤出生地

⑥続柄 など

 

戸籍には「謄本」や「抄本」というものがあります。

よく戸籍謄本や戸籍抄本という言葉を目にしたり、耳にしたりすると思います。

では、一体何が違うのでしょうか。

 

・戸籍謄本

戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものになります。戸籍の管理が電子データ化されたことにより、戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」という名称へ変わりました。

夫婦と未婚の子供が2人という家族構成であれば、その4人全員の身分事項を証明するものが戸籍謄本になります。

 

戸籍謄本

 

戸籍全部事項証明書

上の画像が以前の戸籍である戸籍謄本、下の画像が今の戸籍である戸籍事項全部証明書になります。

戸籍画像  斜里町:https://www.town.shari.hokkaido.jp/02life/40tetsuzuki/10koseki/2014-0130-1537-14kosekidensanka.html

 

・戸籍抄本

戸籍に記載されている者のうち1人または複数人の身分事項を証明するものになります。戸籍の電子データ化されたことにより、戸籍抄本は「戸籍個人事項証明書」という名称へ変わりました。

夫婦と未婚の子供が2人という家族構成であれば、夫婦のみの身分事項を証明しても子供1人のみの身分事項を証明してもどちらも戸籍抄本になります。

 

戸籍謄本と戸籍抄本は、全員か個人かという違いがあるだけで、記載されている項目は同じです。

この2つの使い分けは、どこまでの情報が必要かによります。家族までの情報が必要なら戸籍謄本、個人のみの情報が必要な場合は戸籍抄本となります。

 

注意をしたいのは、戸籍謄本(抄本)の発行先です。

戸籍謄本(抄本)の取得は「本籍」のある住所の自治体でしかできません。

本籍とは、戸籍に記載される人が任意に定める日本国内いずれかの番地が存在する土地のことをいいます。また、本籍により表示される場所(本籍の所在地)のことを本籍地といいます。

(太宰府市役所ホームページより:http://www.city.dazaifu.lg.jp/admin/faq/kurashi/4/15535.html)

この本籍地が現在住んでいる市区町村と同じということもありますが、違う場合もあります。

同じ場合ですと、住民票と戸籍が同じ役所で発行できます。

違う場合ですと、住民票は現在住んでいる市区町村の役所で発行、戸籍謄本(抄本)は本籍地の市区町村の役所で発行という形をとることになります。

 

先述しましたが、「本籍は戸籍に記載される人が任意に定める日本国内いずれかの番地が存在する土地」に置くことができます。

そのため、皇居・東京タワー・ディズニーランド・大阪城・甲子園など有名な場所に本籍を置く方もいるそうです。

ちなみに富士山には本籍を置くことはできません。富士山には住居表示や番地がないからです。しかし富士山近くの神社には本籍を置くことは可能です。

 

最後に、戸籍謄本(抄本)の取得方法ですが、役所に行き取得だけでなく、住民票と同じように郵送対応もできます。また、マイナンバーカードや住民基本台帳カードがあればコンビニで取得できる自治体もあるそうです。取得の際は、あらかじめ本籍地の役所に確認をすると、いいかもしれません。

 

以上、簡単ではございますが、住民票と戸籍の違いを解説させていただきました。

住民票も戸籍も役所で発行されますが、用途が違います。

住民票も戸籍も、引っ越し、就職、結婚、人生の区切りとなる時に必要となってくるものです。そんな時、少しでも参考となれば幸いです。

Pocket



▲このページのTOPに戻る

物件リクエスト登録

物件を貸したいオーナー様へ
サイトの使い方
企業情報 | スタッフ紹介 | 採用情報 | プライバシー | 高級賃貸.com スタッフブログ |