高級賃貸取引を知り尽くしたスタッフが書くブログです。

2020年5月27日

施設賠償責任保険とは

家
Pocket

オーナーさん向けの損害保険のひとつに施設賠償責任保険というものがあります。

施設の欠陥などによって人にケガをさせたり物に損害を与えた場合に、賠償金等の費用を補償してもらえる内容で、物件を持っているオーナーさんは一度は加入を検討された方が良い保険です。
火災保険や地震保険はよく聞くものとは思いますが、今回は意外に知られていない施設賠償責任保険についてご紹介していきます。

「施設賠償責任保険」とは

「施設賠償責任保険」とはオーナーさんが所有、管理する施設や建物で発生した事故に対して、補償を行ってくれる保険です。

・建物や施設の構造上の欠陥、安全性の管理不備によって事故が発生し、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合
・施設の内外で行われる通常業務によって他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合

東京海上日動URL
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/baiseki/shisetsu/

共栄火災URL
https://www.kyoeikasai.co.jp/pdf/corp/liability/shi_bai.pdf

具体的には?

想定される事故例は下記などがあります。

・マンションの外壁の一部が落ちて通行人がケガをした
・共用部の床や階段で滑りケガをした
・エレベーターが壊れて、乗っている人がケガがをした
・マンション内で火事が起きた場合、避難経路が十分に確保されてないために逃げ遅れてケガをした
・飲食店であれば従業員がお客様に飲み物をこぼして服を汚してしまった
・搬入中の荷物がぶつかりお客様にケガをさせてしまった
・マンションの外壁の一部が落ちて通行人の車や、他の建物に損害を与えてしまった
・水漏れで家財を壊してしまった

unnamed

支払い対象となる保障内容

施設賠償責任保険の補償範囲はどの商品も基本的にはほぼ同じです。

・法律上の損害賠償金
・賠償責任に関する訴訟費用、弁護士費用等の争訟費用
・求償権の保全、行使等の損害防止軽減費用
・事故発生時の応急手当等の緊急措置費用
・保険会社の要求にともなう協力費用

損害を与えた対象に支払う賠償金だけでなく、それにともなう裁判費用、第三者がケガをしたときの応急手当の費用など、幅広く補償してくれます。

実際の補償額は契約内容によって異なります。

注意点は国内で発生した事故が対象となり、海外にある施設で起こった事故は保険の対象外となります。
また、施設賠償責任保険の補償範囲では示談交渉まではしてもらえませんので留意しておきたい点です。

対象外となるケース

・被保険者が故意に事故を起こした場合
・告知義務や通知義務を怠った場合
・他で補償内容が重複していてすでに保険金が支払い済みの場合
・被保険者の同居親族に対して賠償責任が生じた場合
・従業員に被害が生じた場合
・施設内外で販売した飲食物を原因とした食中毒被害を受けた場合
・アスベストなどの発がん性物質により被害を受けた場合
・戦争や労働争議などの社会的な要因によって被害を受けた場合
・地震、噴火、津波などの自然災害によって被害を受けた場合

故意に起こしてしまった事故や告知すべきことをしていなかった場合に対しては当然ながら保障されません。
普段から保守管理や定期点検を行っていることが前提ですので、建物管理は常に気をつけましょう。

落下物による損害、施設の不備による損害であってもオーナーさんと生計を一にする同居親族が受けた損害の場合は対象外となります。
施設賠償責任保険はあくまで第三者が受けた損害に対する保険です。
身内や従業員の損害は入りませんので注意して下さい。

また自然災害などに対しては、火災保険や地震保険に加入するなどして備えておきましょう。

jishin_home_5753

他の保険との違い

「施設賠償責任保険」は、第三者に対する法律上の損害賠償責任が生じた場合に保険金が下りる保険です。
こちらの不備で相手に損害を与えてしまった場合にも補償してくれる点が火災保険や地震保険と決定的に異なります。

また似たような保険に「個人賠償責任保険」があります。
「個人賠償責任保険」は、自分が他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊してしまった場合を対象とした保険です。

それに対し、「施設賠償責任保険」は、物件そのものが他人や他人の物に損害を与えてしまった場合を対象としているので、この点が異なります。

参照:個人賠償責任保険(wikipedia)

保険料

施設賠償責任保険は補償額の大きさの割に、保険料が安いというところも特徴です。
補償の内容にもよりますが、補償される金額が1億円などの設定でも、保険料は年間数千円というものが多いので、万が一のために賠償責任保険への加入はメリットがあると言えます。

まとめ

老朽化の影響で思わぬ事故が起こる可能性もあるので、
築年数が古いマンションを所有しているオーナーさんは是非加入をされることをおすすめします。
負担額もそのまで大きくないので、築年数が浅いマンションを所有しているオーナーさんも、是非検討されると良いと思います。

また、賃貸以外にも工場や事務所、商業施設などの建物を所有している方も、普段から管理に注意を払っていたとしても予期せぬトラブルはいつ起こるかわかりません。

事故が起きた場合、数億円といった賠償金を請求されることも考えられるので加入を検討してみてください。

Pocket



▲このページのTOPに戻る

物件リクエスト登録

物件を貸したいオーナー様へ
サイトの使い方
企業情報 | スタッフ紹介 | 採用情報 | プライバシー | 高級賃貸.com スタッフブログ |