不動産の好景気が続き、価格の上昇に伴い、サラリーマンの方でも副収入として投資用の不動産購入を検討している方も少なくないかと思います。ただ「失敗するのも怖くて中々踏み切れない…」という気持ちもすごくわかります。そんな方へ今回は一棟アパートを購入する際の注意事項について考えていきたいと思います。
不動産への投資には、以下の種類があります。
・一棟アパート投資
・区分マンション投資/戸建投資
・J-REIT(不動産投資信託)
今回は一棟アパートに焦点をあててご紹介したいと思います。一棟アパートを購入し、資産運用するためのメリットとデメリットをまとめてみました。
部屋数があるので全ての部屋が同じタイミングで空室になる可能性が低く、収入がゼロになるというリスクが少ないです。 それぞれの部屋の賃貸の期間が異なるため、大きく収入が減ることはないでしょう。 また区分所有と違い、多額の家賃収入が見込めます。
利回りとは、物件の購入金額に対しての家賃収入の割合のことです。 一棟アパートは区分所有に比べ、利回りが高い傾向にあります。
※利回りとは? 不動産の利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類あります。 「表面利回り」とは、不動産を維持するための管理費や税金といった経費を含めずに計算したものです。 計算式は下記になります。
表面利回り=家賃収入÷購入金額×100
どの程度の利回りになるか簡単に計算することができますが、満室の状態を想定しての計算になるため注意が必要です。 一方、「実質利回り」とは、管理費、固定資産税、修繕積立金や保険料などの経費を反映させたものになります。 計算式は下記になります。
実質利回り=(家賃収入−経費)÷購入金額×100
実質利回りは、空室時に家賃収入が減ってしまう点や、建物の劣化によって、かかる維持費が増えていく点などにより流動的になります。 そのため計算は複雑になりますが、実際の運用利回りを知ることができます。 利回りが高い物件の方がいいにこしたことはありませんが、利回りは地域によっても大きく異なるので、周辺相場を把握しておくことは重要になります。 また「利回り」と記載されているのもは、ほとんどが表面利回りになります。
建物の修繕や改装などが自分のタイミング、予算で行うことができます。 区分所有だとお部屋のリフォームやリノベーションはできても、建物そのものについては個人の判断では行えません。 お部屋のリフォームと共に建物の外観や共用部分の見直しを行うことによって、時代のニーズに合わせることができれば需要も高まります。 一棟アパートであれば、共用部分の設備やアパート内の規則なども自由が効くため、建物の価値を保つことや高めることが可能になります。 また一棟の賃貸経営になるため、家賃の設定も自由度が高まります。
一棟アパートは区分所有と違い、その土地も所有しています。 多くの土地を所有する分、価値が高く評価されるので融資を受けやすくなります。 また、建物の評価は耐用年数が経過すると大きく減少しますが、土地の評価は下がりにくく、逆に上昇する可能性もあります。 建物が老朽化した場合は、建て替えも可能です。
土地と建物の購入になる為、資金が多額になります。 一棟アパートだと数千万円以上といった購入金額がほとんどです。
一棟アパートの経営は区分所有よりハイリターンですがハイリスクでもあります。 災害が発生した時は被害をもろに受けやすく、建物が倒壊してしまった場合には、家賃収入がなくなってしまうリスクも考えられます。 また物件の周辺環境が大きく変化すれば、それに伴い入居者が付きづらくなる可能性もあります。 区分所有では、人気の位置を選ぶことができますが、一棟アパートとなると部屋により人気、不人気のばらつきもある為、満室にするには工夫が必要です。
投資金額が高額になるため、区分よりも買い手が見つかりにくく、売却までの期間が長くかかる可能性があります。
一棟アパートの表面利回り実態について、不動産投資サイト「楽待」による調査では、2012年から2016年の間は東日本大震災の影響などもあって下落が続いていたものの、2017年から2018年の間は持ち直し、2019年に入ってから上昇傾向にあるという結果となりました。区分マンションも利回りの上昇が見られ、2020年以降の動向にも注目していきたいと思います。
参考HP:収益物件数 No.1 国内最大の不動産投資サイト『楽待』 物件統計レポート 2019 年 10-12 月期 投資用不動産の市場動向
<https://www.firstlogic.co.jp/wp-content/uploads/2020/01/firstlogic_press_202001.pdf>
一棟アパートの場合は建物の価値を維持するためにも、自分主導で修繕や改装を行うことが必要になってきます。 タイミングや予算の自由は効くとはいえ、その費用は多額になり、手間も増えます。 防犯カメラや宅配ボックスなどの設備を追加する場合の手配や既存設備の点検、共用部分の清掃、住民同士のトラブルがある場合なども対応していかないといけません。 管理会社に委託することもできますが、その分費用もかかります。 一棟アパートの経営は細かな業務がたくさんあるため、その負担は大きいものになりそうです。
別コラムにて、一棟アパートの他記事もありますので、合わせてお読みください。
<一棟アパートの共用部管理について>
https://www.kokyuchintai.com/column/column/2090.html
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