新型コロナウィルスが猛威をふるっている昨今、日本でも初めて緊急事態宣言が発令され、3月から5月まで不要不急の外出を控えるといった注意喚起がなされました。その環境下でIT技術は大きな注目を浴び、テレワークの導入でZOOMやSkypなどを使ったリモート会議やオンライン商談、さらにはオンライン飲み会など新しい言葉が増え、わざわざ場所を決めて直接会わなくても対話ができるシステムが国内外問わず社会全体で注目されました。
ただ不動産業界においては、これまでIT技術の採用が遅れがちです。一昔前の不動産は紙媒体での広告が主流となっており、色々な管理会社が直接仲介業者に出向き、物件資料を手渡して募集活動を行っていました。また借主側は様々な不動産会社を訪問し、いくつも物件を内見するといった方法をとっておりましたが、インターネット技術の発達により、現在はネット経由で空室情報を公開、募集をかけたり、借主側も直接不動産会社に行って情報を仕入れるよりも、ネットで色々探してから不動産会社に行く、もしくは物件現地で待ち合わせるといった内見に変わりました。
また、ここにきてさらにIT化の流れが加速しました。SUUMOやLIFULL HOME’Sなどエンドユーザー向けのポータルサイトでは、ビデオ通話を使ったオンライン内見やIT重説などのサービスを打ち出し、不動産会社に一度も訪問せず、内見を行い契約締結を済ませることが可能です。
【オンライン内見】
実際に物件に訪問することなく、オンライン経由でどこからでも物件の内見を行うことが可能です。このサービスは昨年あたりから注目されておりましたが、今回のコロナ禍でこれまで嫌煙していた不動産会社も採用を始めたところも多いかと思います。
具体的にはLINEやSkype等を使用したビデオ通話によるものや、VRゴーグルを使ったVR内見も可能です。VR内見を取り入れている不動産会社は未だ少ないものの、遠方にお住まいで出張の為に引っ越し、何度も長距離移動が出来ない方にとっては有効な手段になるかと思います。
【IT重説】
IT重説とは、テレビ会議などのITを活用して行う、賃貸借契約における重要事項説明。従来は宅地建物取引士自らが対面で説明を行わなければならないことになっていたが、2017年10月1日から運用を開始。パソコンやテレビなどの端末を利用して、対面と同様に説明や質疑応答が行える双方向性のある環境であれば、自宅などにいながら、重要事項説明を受けられるようになった。IT重説を行えるのは、賃貸借契約に関する取引に限定されており、対面の場合と同様に、宅地建物取引士が賃借人に対し、重要事項説明書を事前に交付することが必要となる。
簡単に言うとスカイプ等のテレビ電話機能を利用して、前もって重要事項説明をしておくこととなります。
※重要事項説明書とは、宅建業法上、契約締結前に執り行う書類で、
宅地建物取引主任者が顔を合わせて説明することが義務付けられている法律です。
現在はIT重説は賃貸借契約のみとなっており、購入をする場合は今まで通り、直接顔を合わせて行うものとなっておりますが、今後、賃貸同様にIT重説の適用があるかもしれません。
また、重要事項説明だけではなく、電子署名による更新手続きを行うサービスも開始されました。
まだまだ認知度は低いですが、近い将来当たり前に行われるようになると思います。
私たちも柔軟な対応と思考を持ち続けていかなければならないと思わされます。
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